法律では公道での無人走行は不可。では、自動運転をどう実現するのか?

トラック自動隊列走行実証実験の報告会のつづきです。
2018/06/12
自動運転といえば、イコール無人走行だと思っていましたが、日本国内では、法律によって無人で公道を走らせることは出来ないそうです。
えっ?
隊列走行の実証実験で、2台目、3台目に運転手さんが乗っているのは安全確保上の観点からで、将来的に、無人走行(1台目だけ有人)をめざすものと理解していたのですが…。
今の段階では、日本の公道での走行には、必ず運転手がいなければいけないそうです。
その根拠となってるのが、日本も加盟しているジュネーブ条約。
主だった先進国は、みな加盟しているそうです。
ジュネーブ道路交通条約(1949年) 抜粋
第8条
第8.1条 一単位として運行されて 単位として運行されて る車両又は連結車両には、
それぞれ運転者がいなければならない。
第8.5条 運転者は、常に、車両を適正に操縦し、又は動物を誘導することができなけ
ればならない。 運転者は 他の道路使用者に接近するときは、当該他の道路使用者の
安全のために必要な注意を払わなければならない。
第10条 車両の運転者は 常に車両の速度を制御していなければならず、また、適切かつ
慎重な方法で運転しなければならない。 運転者は、状況により必要とされるとき 特に見とおしがきかないときは、徐行し、又は停止しなければならない。
となると、自動隊列走行もこのジュネーブ条約が変わるか日本が脱退するかしないと2台目3台目の無人化も無理なのか・・・。
と思いきや、そうではなく、この隊列走行は、有人の1台目が(無人の)2台目3台目を電子的に牽引していると考えることで無人化を実現するという。
今でもフルトレーラーは、物理的に二台目を牽引していますが、それが電子的な牽引に代わるだけだと。
【参考】代表的なフルトレーラー

<HAMANA WORKSセンターアスクル型フルトレーラ 浜名ワークスHPより>
これなら、当然、完全な無人走行より技術的にも実現可能性が高くなります。
ところで、このジュネーブ条約ですが、中国は加盟していないそうです。
アメリカも連邦政府としては加盟していても、各州は独立国のようなものなので、それに縛られていないと。
どうりで、中国、アメリカから無人運転、自動運転のニュースが多いわけです。
その制約(足かせ)があるなかでも、まずは技術開発を進めていくのが国の方針だそうです。
つづく
↓関連過去記事
2018/06/12
新東名高速道路で今年1月に実施されたトラックの自動隊列走行の実証実験の報告会が静岡県トラック協会青年部会の会議で行われました。経済産業省ITS・自動走行推進室の丸山晴生係長から、実証実験の目的、内容、成果について説明をいただきました。□新東名高速道路でのトラック自動隊列走行実証実験の…
2018/01/24
ドライバー不足解消にむけ、国も本気で取り組んでくれているようです。昨日、新東名高速道路で行われた実証実験を見学してきました。実験は、トラックを3台連なって走らせ先頭はドライバーが運転、2台目、3台目は無人化(自動運転)させることを最終目標にしたものです。今回は、不測の事態に備え、…
■共同配送・家電宅配の『アトランス』■
TEL 053-423-7070/FAX 053‐423‐7078
H P : http://www.logi-best.net/
E-Mail : info@atrans.co.jp

この記事へのコメント
いろいろ勉強になります。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
Posted by でんきやおーちゃん
at 2018年06月15日 16:09

>でんきやおーちゃん さま
実は自分自身の備忘録的なものでもあるんです。
実は自分自身の備忘録的なものでもあるんです。
Posted by 渡辺次彦 @アトランス
at 2018年06月21日 09:18

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。