法律では公道での無人走行は不可。では、自動運転をどう実現するのか?

渡邉次彦 @アトランス

2018年06月13日 11:11



トラック自動隊列走行実証実験の報告会のつづきです。

2018/06/12



自動運転といえば、イコール無人走行だと思っていましたが、日本国内では、法律によって無人で公道を走らせることは出来ないそうです。

えっ?

隊列走行の実証実験で、2台目、3台目に運転手さんが乗っているのは安全確保上の観点からで、将来的に、無人走行(1台目だけ有人)をめざすものと理解していたのですが…。

今の段階では、日本の公道での走行には、必ず運転手がいなければいけないそうです。

その根拠となってるのが、日本も加盟しているジュネーブ条約。

主だった先進国は、みな加盟しているそうです。


ジュネーブ道路交通条約(1949年) 抜粋

第8条
 第8.1条 一単位として運行されて 単位として運行されて る車両又は連結車両には、
    それぞれ運転者がいなければならない
 
 第8.5条 運転者は、常に、車両を適正に操縦し、又は動物を誘導することができなけ
    ればならない。 運転者は 他の道路使用者に接近するときは、当該他の道路使用者の
              安全のために必要な注意を払わなければならない。

 第10条 車両の運転者は 常に車両の速度を制御していなければならず、また、適切かつ
     慎重な方法で運転しなければならない。 運転者は、状況により必要とされるとき 特に見とおしがきかないときは、徐行し、又は停止しなければならない。



となると、自動隊列走行もこのジュネーブ条約が変わるか日本が脱退するかしないと2台目3台目の無人化も無理なのか・・・。

と思いきや、そうではなく、この隊列走行は、有人の1台目が(無人の)2台目3台目を電子的に牽引していると考えることで無人化を実現するという。

今でもフルトレーラーは、物理的に二台目を牽引していますが、それが電子的な牽引に代わるだけだと。

【参考】代表的なフルトレーラー



<HAMANA WORKSセンターアスクル型フルトレーラ 浜名ワークスHPより>


これなら、当然、完全な無人走行より技術的にも実現可能性が高くなります。


ところで、このジュネーブ条約ですが、中国は加盟していないそうです。
アメリカも連邦政府としては加盟していても、各州は独立国のようなものなので、それに縛られていないと。

どうりで、中国、アメリカから無人運転、自動運転のニュースが多いわけです。

その制約(足かせ)があるなかでも、まずは技術開発を進めていくのが国の方針だそうです。

つづく

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